2019年 立命館大学校友会は設立100周年を迎えます。

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池坊専好氏

校友会設立100周年応援隊 華道家元池坊 次期家元 池坊専好氏 2012年 文学研究科 修了

人と人とを結ぶ花のように校友同士を結ぶ絆がある

  • 池坊専好氏
  • 池坊専好氏と立命館100周年

歴史を通じて今を知ることが未来をつくる手がかりに

生まれた時から華道の世界に身を置いてきましたので、いけばなの歴史を客観的に研究したいと思い、大学院に進学しました。日本ではまだ特別な印象がある社会人入学も、海外ですと一般的ですし、年齢を重ねても学ぶことに貪欲ないけばなの先生方を間近に見ていましたから、その決断は自然なことでした。

研究テーマは中世におけるたて花の成立とその背景について。ご指導いただきましたのは、私よりも若い先生でした。とても真摯に指導してくださり、発表する機会を数多く設けていただいたので、それに向けて資料を読み込むなど、懸命に準備したことを今でも鮮明に覚えています。家業と離れた時間を持ち、ひとつのテーマにとことん向き合えたことで、自身のいけばな観をさらに膨らませることができました。日々花を生けていると、どうしても作品づくりに意識が偏りがちになりますが、今の形ができるまでには過去からつながるプロセスがあって、その歴史を振り返ることによって、いけばなへの理解が深まり、未来への展望が開けたように思います。

専門分野以外にも、日本文学や心理学など様々な授業を受けました。欲張った分大変な面もありましたが、バラエティに富んだ楽しい時間を過ごすことができました。最初は立命館のたくましい雰囲気に圧倒されて、馴染めるか不安もありました。中高と女子校でしたし、大学を卒業してからのブランクもありましたから。しかし勉強会や食事会などを通じて打ち解けていくうちに、このアクティブさが立命館らしさなんだなと思うようになりました。課題に対して前向きに取り組む力、実践的な行動力を持っていますよね。

違いを超えてつながる母校・立命館は心のふるさと

大学院修了後も、校友大会でのデモンストレーションをはじめ、特別講義やフィールドワークの受け入れなど様々な形で立命館の校友や学生、保護者の方々と関わる機会をいただいています。これまで学んだこと、培ってきたことを活かして母校と関わる場が持てることは本当に嬉しいです。

池坊は海外に100の支部があります。これほどひろがりを有することができましたのは、いけばなが日本の哲学や自然観を反映した文化であると共に、世界に共通する普遍的な魅力を備えているからではないかと思っています。花を見て美しいと感じる心、前向きになれる気持ちが、国境や人種を超えて人と人とを結びつける。立命館大学の校友であるということも同様です。同じ大学を卒業したという共通点さえあれば、その他の違いを超えて家族のように感じることができる。やはり母校は心のふるさとであり、大切な絆であると実感しています。

若い頃は仕事やプライベートが忙しくて、なかなか校友会に出席する機会を持てないかもしれませんが、歳を重ねるほどに母校での思い出は心のよりどころになっていきます。夢を持って精一杯取り組んだ時間はかけがえのないもの。私は2年間という短い期間でしたが、苦楽を共にした仲間や先生とのつながりは、生涯大切にしていきたいですね。

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