16歳で全米デビューして以来、学校とスタジオとを無我夢中で往復する毎日でしたので、もっと知らない世界を知りたい、もっとフィールドを広げたいと、立命館大学へ進学することを選びました。両立の難しさは覚悟していたものの、やはりレコーディングと試験期間が重なってしまった時は特に大変でした。スタジオに教科書を持ち込んでテスト勉強をしたり、宿題をしたり。睡眠不足が続いてくじけそうになることもありましたが、周りのサポートで乗り切ることができました。欠席した授業のノートを貸してくれた友達、講義内容を丁寧にフォローしてくださった先生方には本当に感謝しています。
母校には卒業してからもたくさんのエールをもらっています。産業社会学部の創立50周年記念事業にゲスト出演した時には後輩たちがホワイトボードに「おかえりなさい、倉木先輩!」と書いて歓迎してくれましたし、同級生たちも駆けつけてきてくれて、心から嬉しく思いました。音楽活動をする中で「私も立命館大学出身です!」とお声がけいただくことも多いんですよ。日本だけでなく海外でもそうした出会いがあるので、立命館のネットワークの強さと広がりには、日々驚かされることばかりです。
校友会が設立100周年を迎える2019年に、私もデビュー20周年を迎えます。私自身、まさかこれほど長い間歌手活動を続けてこられるとは、正直思っていませんでした。ひとつひとつのことに真剣に向き合い、一年一年を丁寧に過ごしてきた結果が、こうして息の長い活動につながったのだと思います。
歌手活動をスタートした時から、音楽を通じて夢や希望をお届けしたいとの想いで歌ってきました。社会活動に携わる上でもその気持ちは常に持ち続けています。ライブを重ねるごとに曲が育ち、ファンとの絆が深まっていくように、私が被災地やカンボジアで活動していると、たくさんの人が共感してくださり、支援の輪がどんどん広がっていくのを実感します。音楽も社会活動も、継続することで見えてきた景色がありました。
校友のみなさんも、お仕事に励まれていたりご家庭を支えていたり、それぞれの道でご活躍のことと思います。進む道は違っても、同じ大学を卒業し、「社会の発展に貢献する」という目的を共有する仲間が36万人もいるということはとても心強いものです。その一員として、私は私なりの活動を続けていくことで、母校をはじめ、支えていただいたみなさん、育てていただいたみなさんに感謝の気持ちをお伝えしたいと思っています。これからもどうぞよろしくお願いいたします。