加賀美 長稔さん(タイ王国校友会会長)
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- 2016.12.08
2018年に設立30周年を迎えるタイ王国校友会。2009年から5代目会長を務める加賀美 長稔さん(’76産社)に、タイ王国校友会の現状と、立命館大学校友会設立100周年に向けた抱負を伺いました。
タイ王国校友会の特徴
タイ王国校友会は1988年発足という、海外校友会の中でも先駆け的な存在です。タイは東南アジアの中でも在留邦人が多く、当校友会でも名簿上は70名ほど把握しています。現在活動の拠点はバンコクになっていますが、2015年にはチェンマイ支部も発足しましたし、工業団地のあるシラチャにも多くの校友が住んでいます。APU校友会との交流も盛んですね。APUの卒業生はタイだけですでに600名になっており、何かイベントがある度にお互い参加し合う良い関係を築けています。ゴルフコンペをはじめ他大学校友会との付き合いもありますし、国境を横断したつながりが強いのも特徴です。2015年に吉田美喜夫総長が訪問された際にはインドネシア校友会やサイゴン校友会からの参加があり、アジア全体の立命館ネットワークのひろがりを感じることができました。
オフラインの可能性
タイに暮らして40年になりますから、校友会にも立ち上げ時から関わっていました。発起人である野村さん(’70法)がとても熱心でしたね。当時は校友会でしか得られない情報もあり、他のメンバーにとっても今とは違う切実さがあったように思います。情報交換の場がインターネットに移るようになってからは、参加者数の落ち込みは必然でした。私自身も忙しさを理由に、一時期は足が遠のいていました。それもあって会長になってからは、できるだけ顔を合わせる機会を増やすように努めました。たとえばゴルフなんかは、ネット上ではできないでしょ。でも、ゴルフだけの会だと興味のない人は当然寄り付きません。有志での趣味の会と、オフィシャルな食事会との両立が課題でした。今年11月に行なった懇親会にはタイに留学中の5人の現役学生が参加しました。正直驚きましたね。デジタルネイティブ世代の彼らが、SNSだけでは得ることのできないつながりを求めて校友会にアプローチしてきたわけですから。校友会の新たな可能性を垣間見た気がします。
100周年に向けて
校友会設立100周年は組織強化の機会とのことですが、タイ王国校友会の会員は、駐在校友がほとんど。どうしても新陳代謝が激しくなってしまうという海外ならではの事情があります。現状維持というとやや消極的に聞こえるかもしれませんが、まずは年に数回の食事会のペースを保っていくことが大切でしょう。その上で、隣国校友会とのコミュニケーションを今以上に活性化させていきたいし、母校とももっとつながりを感じられるようになりたい。たとえばベトナムのサイゴン校友会は京都でも懇親会を開いているようですが、同じようにタイから帰国した校友たちが日本で再び集まれるような縁を結んでいくことが、長い目で見た時に校友会への応援につながると思っています。