友人・恩師・クラブ・キャンパスライフ…
校友だから共感できる!
そんな学生時代の思い出をのぞいてみよう。
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古美術研究会の思い出
私の手元に学生時代に読んだ1冊の単行本がある。書名『塔』、著者・梅原猛、昭和51年9月30日・集英社発行。私は同年12月25日発行の第五刷を購入し、翌年3月14日に読了と本の奧付頁に記している。この本との出合いも契機となって、昭和52年6月25日、立命館大学古美術研究会の主催による梅原猛講演会が、広小路学舎学園ホールにて開催された。講演者の梅原猛先生は、元立命館大学文学部教授であり、当時は京都市立芸術大学学長を務められていて、テレビやマスコミにも頻繁に出演されるなど、いってみれば超売れっ子の学者であった。演題は前年に刊行となっていた梅原先生の著書『塔』と同名であったが、講演の具体的な内容は、前述の著書を紐解きながら飛鳥・奈良時代における政治史と芸術史の交錯をさぐるというものであった。聴講者は立命館大学在学生のほか古美研OB、また他大学の古美術研究会の学生など約400名近くにも達し、予想を上回る盛況となった。この時の講演会の内容等を記録した手作りの冊子(立命館大学古美術研究会機関誌「白毫」第48号 梅原猛氏講演会記念号)も私の手元に残り、今から40年も前のことではあるが、当時のことが本当に懐かしく思い出されるのである。
ここで立命館大学古美術研究会について紹介してみたい。古美術研究会(通称 古美研)は昭和36年(1961年)、立命館大学文学部の学生の呼びかけにより、当時、文学部助教授であった梅原猛先生を顧問として結成される。前述の講演会はこの縁もあり、私が古美研会長であった昭和52年に実現したのである。創立当初の古美研については、「白毫」第51号(古美研OBと現役会員との合同発刊)にOBからの投稿も掲載されていて、当時をうかがい知ることができ興味深い。昭和40年頃には全学的なサークルとして認知され、会員数も100名前後であったという。私が古美研に入会したのは、大学に入学した昭和50年の4月であったが、4年間の学生時代を振り返ってみると、まさに学生生活=古美研三昧であったといっても過言ではない。京都・奈良などの歴史や古美術(とりわけ古仏)に憧れて立命館に入学した私にとって、古美研はまさに入るべくして入ったサークルであった。当時、古美研には4分科会(絵画・建築・彫刻・庭園)があり、私は4年間彫刻パートに所属。1年間の活動としては、週2回開催の分科会、各パート主催の見学会(年間約30回)、新歓コンパ・新歓合宿(5月)、薪能アルバイト(6月)、夏季合宿、未公開寺院パトロール(11月)、学園祭研究発表・打ち上げコンパ(11月)、四回生追い出しコンパ(12月・2月)、機関誌「白毫」発行(年3回)などがあって本当に盛りだくさん。
日本を代表するすばらしい文化財と出会うことができ、かつ個性豊かな多くの仲間たちと知り合えることができた古美研の4年間は、今もって私の大切な宝物となっている。