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思い出の一人暮らし…プレイバック・昭和60年代

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松山 徳仁さん
1989年卒/法学部
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2017.7.6
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思い出の一人暮らし…プレイバック・昭和60年代

第1章 親戚宅での1年半

 入学から2回生の前半までは、大津にある親戚宅に居候していた。
 いきなり完全な一人暮らしは不安だったので、親を安心させる意味でも叔母に頼み込んで下宿させてもらった。
 衣笠のキャンパスから、京都駅を経由して湖西線で堅田まで行き、下宿にたどり着くまで1時間半かかった。
 食事つきで、いとこと遊びながらの生活は楽しく、孤独に苦しめられることはなかった。
 1回生の5月頃、水疱瘡で1週間ダウンしてしまった時も、親戚宅だったから助かった。高熱に襲われながらも、食事や洗濯などの世話をしてもらえたから何とか乗り切れたと思う。
 
第2章 学校から徒歩2分! 等持院北町での下宿生活

 2回生の9月頃、大学のすぐ近くに下宿を見つけ、そこに引っ越した。
 家賃1万5千円、普通の民家の離れで、8畳1間、風呂なし。近所の銭湯に通うのも新鮮で、風呂上がりに脱衣所でプロ野球ニュースを見ながら体を冷ますひとときが心地よかった。
 食事はほとんど外食だったが、どこの店も安くて1日あたりの食費は500円ぐらいで済むこともあった。
 朝は、近所でパンの耳を安く仕入れ、トースターで焼いて食べた。パンの耳は1袋10円ぐらいで買えた。
 昼は学食。存心館地下食堂のカレーは220円。以学館地下食堂のとんこつラーメンは150円など、懐に優しいメニューばかりだった。
 夕食は、竜安寺商店街の安い食堂へ。もう潰れてしまったけど「美福」というお好み焼き屋があって、野菜天ぷら定食が何と250円!ご飯も大きい茶碗にたっぷり大盛りでよそってくれて、貧乏生活にはありがたかったな。
 洗濯は、1週間分ぐらいためてまとめてコインランドリーへ持っていった。
 たまに友達が下宿を訪ねてくれたこともあったが、ほとんど部屋の中でボーッと過ごすことが多かった。好きな音楽を聴いたり、本を読んだり。学校とバイト以外の、下宿での静かなひとときが何とも言えず愛おしかった。社会人になり、家族を持った今、なかなかひとりで過ごす時間は保てないので、やはり大学時代ってモラトリアムとして貴重な時代だったんだな…と思う。

 昭和60年4月に入学し、卒業を目前にした昭和64年1月7日に昭和が終わった。
 昭和60年代は、私が大学時代を過ごした、何とも甘酸っぱくて切なくてのんびりした4年間だった。
 たまに懐かしくて衣笠近辺を訪れることもあるが、かつての面影がほとんど残っておらず、寂しい限りである。

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