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心の拠り所

name
梅木 亮さん
2011年卒/法学部法学科
post
2017.9.28
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心の拠り所

 衣笠キャンパスに近い、嵐電等持院駅から南東に3分ほど歩いた場所に下宿していた。六畳一間のこじんまりとしたアパート。決して広いとは言えないがそこには思い出がたくさん詰まっている。等持院界隈は閑静な住宅街で、特に夜はかなりの静けさに包まれる。しかし、同じ敷地内に大家さん宅があり、大家さんが気さくに話しかけてくれたので寂しさを感じることはなかった。そんなのどかな雰囲気がたまらなく好きだ。嵐電が走り、市バスも近くを通るため、河原町や京都駅へのアクセスも良い。 大学までは歩いて10分ほど。ひたすら住宅街を通る。アパートを出ると間もなく等持院駅が見え、踏切を渡る。1両編成の嵐電がのんびりと通りすぎる。直進し、突き当りを右に行くと町名でもある等持院の入口がある。ここは庭園が非常に美しく個人的にはかなりお勧めの観光地である。ちなみに等持院の入口西側にポツンと1軒「馬馬虎虎」という定食屋があり(当時)、お世話になっていた。安く、ボリュームもあり、家庭的な味でおいしい。店員さんも気さくで、大学での出来事などの話をしていたのを思い出す。ちなみに今は居酒屋に変わってしまい、とても寂しい。等持院の横の道を直進すればキャンパスの南門に着く。約1キロ程度の通学路であるが、思い出の詰まった最高の場所である。1限の授業に行くときは朝8時台に歩くが、とにかく空気がきれいで清々しい。周りには山もあり景色も美しい。小鳥のさえずりが絶妙にマッチする。東京育ちの私にとっては初めて味わう感覚であった。排気ガスの混じった空気や満員電車など、通勤、通学は疲れるだけのものというイメージであったが、そのようなものとは一切無縁で、むしろ朝から健康的であった。授業に集中できたのもこういった環境のおかげかもしれない。
 現在は地元の東京で働くが、卒業後も毎年定期的に京都に行っている。学生時代の友人と会ったり、観光もするが、毎回欠かさず衣笠キャンパスと等持院界隈に行く。そして、大学からアパートまで在学中と同じように原点である通学路をたどる(大学に行くと自然と体が通学路に向いてしまう)。お世話になったアパートの大家さんにも必ず挨拶に行くが、いつも「おかえり」と笑顔で迎えてくれる。まるで実家に帰った気分だ。大家さんへの感謝の気持ちは一度も忘れたことがない。何の変哲もない道だが、ここを歩くと人生で一番楽しかった時代に浸ることができ、ほっとする。私の中では最もリラックスできる場所である。日々、疲れやストレスが溜まるが、このような心の拠り所があることは本当に幸せであると常に感じる。今となっては習慣のようになっているが、今後もこれを必ず継続して行く。

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